こんな方におすすめ
- 受動態の基本を知りたい。
- 受動態と進行形・完了形などの組み合わせがよく分からない。
- 使役動詞と知覚動詞の受動態が分からない。
- 群動詞の受動態が分からない。
本記事ではこういった疑問にお答えします。
今回は、受動態マスターを目指しましょう。
→英文法のおすすめ参考書をコチラで紹介しています。
記事の信頼性
本記事を書いている筆者(@englishteachaon)は英語ブロガーとしてブログを運営しています。
- 10年以上、高校生に英語を教えている経験
- 英語検定1級
- TOEIC900点超(現在990点を目指し、筆者自身も勉強に励んでいます。)
早速、例題で確認です。
I ( ) by Mike.
(A) was talked
(B) was talked to
(C) was talking
(D) was talking to
答えは(B) was talked toです。よく狙われるポイントなので要注意です!
正解した人も、なぜ(B) was talked to が答えなのか説明できるように、ポイントを確認していきましょう。
受動態は中学校で習う文法事項ですが、高校の範囲と絡むと少し複雑になります。
それをシンプルに考えられるように解説していきます。
では参りましょう。
Contents
受動態(受け身)とは【be動詞+過去分詞】
受動態とは主語が「~される」という意味で、受け身とも呼ばれます。
基本的な形は以下の通りです。
- 主語+be動詞+過去分詞
これにあてはめると受動態の文を作ることができます。
受動態(受け身)の作り方 3ステップ
受動態の作り方は、受動態の土台となるので必ず押さえておきましょう。
受動態は、能動態の文から3ステップで書き換えることができます。
- 目的語(O)を主語に移動する
- 動詞を「be動詞+過去分詞」にする
- 本来の主語をby〜で文の最後に移動する
例えば、以下のように能動態→受動態と書き換えられます。 Mike broke the window →The window was broken by Mike
では、実際に能動態から受動態に書き換える3ステップを見ていきましょう。
Mike broke the window.(能動態)
「マイクは窓を壊した。」
1. 目的語(O)を主語に移動する
まず、「目的語のthe window」を主語に移動します。 The window Mike broke.
2. 動詞を「be動詞+過去分詞」にする
次に「動詞のbroke」を「be動詞+過去分詞」にします。 The window Mike was broken.
「その窓はマイクによって壊された。」
3. 本来の主語をby〜で文の最後に移動する
そして、「本来の主語のMike」に「by」をつけ、文の最後に移動します。 The window was broken by Mike.
※「by〜」は省略可能
以上の3ステップで能動態を受動態に書き換えることができます。
他のパーツは元の位置から変わりませんので、同じ場所に置いておきます。
他の場所に移動させないように気をつけてください。
助動詞・完了形・進行形の受動態(受け身)
色々な受動態の形がありますが、これらは全てかけ算で導くことができます。
ここでは、以下の3つの組み合わせを確認していきましょう。
- 助動詞×受動態
- 完了形×受動態
- 進行形×受動態
助動詞×受動態【助動詞 + be + 過去分詞】
まず、助動詞と受動態のかけ算を確認しましょう。
助動詞(can + 動詞の原形)と受動態(be + 過去分詞)をかけ算すると以下のように導くことができます。
以下の例文で「助動詞+be動詞+過去分詞」になっていることを確認しましょう。 This bird can be seen everywhere in Japan.
「この鳥は日本のどこでも見られる。」
完了形と受動態【have + been + 過去分詞】
次に完了形と受動態のかけ算を確認しましょう。
「完了形」と「受動態」のかけ算なので「〜される」状態が継続していたり、完了したことを表します。
完了形(have + 過去分詞)と受動態(be + 過去分詞)をかけ算すると以下のように導くことができます。
以下の例文で「have+been+過去分詞」になっていることを確認しましょう。 The novels have been translated into twenty languages.
「その小説は20ヵ国語に翻訳されている。」
進行形と受動態【be + being + 過去分詞】
次に進行形と受動態のかけ算を確認しましょう。
「進行形」と「受動態」のかけ算なので「〜される」状態が「今まさに起こっている」ことを表します。
進行形(be + ing)と受動態(be + 過去分詞)をかけ算すると以下のように導くことができます。
以下の例文で「be+being+過去分詞」になっていることを確認しましょう。 The car is being washed.
「その車は今洗われているところです。」
第四文型の受動態 SVO1O2
次に第四文型の受動態を見ていきましょう。
第四文型の受動態は苦手意識を持つ方が多いところです。
しかし、3ステップ通りに考えれば難しくありません。
第四文型の場合、「O1」と「O2」の2つの目的語があります。
それぞれを受動態に書き換えた場合を見て行きましょう。
目的語(O1)が主語の場合
まずは、目的語(O1)を主語にする場合を3ステップで書き換えてみましょう。
I gave him a present.(能動態)
「私は彼にプレゼントをあげた。」
1. 目的語(O1)を主語に移動する
「目的語のhim」を主語に移動します。この時「him」が「he」になるので注意しましょう。 He I gave a present.
2. 動詞を「be動詞+過去分詞」にする
次に「動詞のgave」を「was given」にしましょう。 He I was given a present.
3. 本来の主語をby〜で文の最後に移動する
最後に「本来の主語のI」を「by〜」で文の最後に移動させます。 He was given a present by me.
以上の3ステップで能動態から受動態に書き換えることができました。 I gave him a present.(能動態)
→ He was given a present by me.(受動態)
目的語(O2)が主語の場合
次に、目的語(O2)を主語にする場合を3ステップで書き換えてみましょう。
ただし、目的語(O2)が主語の時、これまでの方法に「+α」が加わりますので要注意です。
I gave him a present.(能動態)
「私は彼にプレゼントをあげた。」
1. 目的語(O1)を主語に移動する
「目的語のa present」を主語に移動します。 A present I gave him.
2. 動詞を「be動詞+過去分詞」にする
次に「動詞のgave」を「was given」にしましょう。 A present I was given him.
3. 本来の主語をby〜で文の最後に移動する
最後に「本来の主語のI」を「by〜」で文の最後に移動させます。 A present was given him by me.
他のパーツは元の位置から変わりませんので、そのままで大丈夫です。
ただし、これで完成ではありません。
第四文型の目的語(O2)を主語にする場合、「目的語(O1)の前に前置詞(toかfor)を置く」というひと手間が必要になります。 I gave him a present.(能動態)
→ A present was given to him by me.(受動態)
動詞には、以下の2パターンがあります。
- give型 前置詞のtoを取る
- buy型 前置詞のforを取る
具体的にどのような動詞が「give型」と「buy型」に分類されるか一覧で確認しましょう。
give型は前置詞to
give型は前置詞for
目的語(O2)が主語の場合 初心者向け
「いきなり目的語(O2)を移動して書き換えるのが難しい…」という方は、以下の流れで書き換えることをおすすめします。
- 第四文型を第三文型に書き換える
- 第三文型を受動態に書き換える
→ 第四文型から第三文型への書き換えはコチラで解説しています。
I gave him a present(第四文型)
→ I gave a present to him.(第三文型)
→ A present was given to him by me.(受動態)
第四文型ではなく、第三文型から受動態を作ると意外とスムーズに理解できるかもしれません。
一度試してみるよいかと思います。
使役動詞と知覚動詞の受動態
続いて、「使役動詞と知覚動詞の受動態」を確認していきましょう。
少しレベルが高いですが、よく狙われるポイントです。
第四文型の時と同様に、使役動詞と知覚動詞が受動態になる時は、ひと手間加える必要があります。
The workers were made ( ) until late at night.
まず例題で見てみましょう。
(A) work
(B) being working
(C) worked
(D) to work
答えは、(D) to workです。ここでは、急に不定詞が出現します。
ただし、不定詞が現れるのには、きちんとした理由があります。
したがって、使役知覚と知覚動詞の受動態では、「be + 使役動詞 + to + 原形」という覚え方をしないようにしましょう。
受動態の作り方は以下の通りでした。
- 目的語(O)を主語に移動する。(動詞の直後の目的語です。)
- 動詞を「be動詞+過去分詞」にする
- 本来の主語をby〜で文の最後に移動する。
この3ステップを踏まえて、使役動詞と知覚動詞の受動態を考えていきましょう。
使役動詞の受動態(受け身)
では、3つの手順で使役動詞を使った能動態を受動態にしていきましょう。
使役動詞は、「S+V+O+原形」の形を取る特殊な動詞で、「Oに〜させる」という意味でしたね。
→ 使役動詞はコチラで詳しく解説しています。
Our boss made us work.
1. 目的語(O)を主語に移動する
まず、「目的語のus」を主語に移動しましょう。(主語にするので、形はweに変わります。) We our boss made work.
2. 動詞を「be動詞+ 過去分詞」にする
次に、「動詞のmade」を「was made」にしましょう。残りはそのままで大丈夫です。
We our boss was made work.
3. 本来の主語をby〜で文の最後に移動する
最後に、「本来の主語のour boss」に「by」をつけて、文の最後に移動しましょう。 We was made work by our boss.
本来ならば、これで受動態は完成です。
しかし、最後の文にはダメな点があります。
それは「動詞が連続して並んでいる」ということです。
英文で、動詞の連続は原則ありえません。
つまり、「動詞のmadeとwork」が連続しているのは、原則に反しているといえます。
したがって、この「made work」の部分に、ある工夫が必要になります。
We were made work by our boss.
その工夫とは「不定詞を動詞と動詞の間に置く」ことです。
→ We were made to work by our boss.
専門的にいうと「work」に不定詞をつけ、準動詞にすることによって動詞につながる形にしています。
ちなみに、「have」と「let」は受動態になることはありません。
したがって、使役動詞で受動態になるのは「make」だけです。
知覚動詞の受動態(受身)
次は知覚動詞を使った例文を受動態にしてみましょう。
I saw him enter the building.
知覚動詞の場合も使役動詞の受動態と同様に考えれば大丈夫です。
1. 目的語(O)を主語に移動する He I saw enter the building.
まず、動詞の直後の目的語(him)を主語に移動します。(主語なので、heになります。)
2. 動詞を「be動詞+ 過去分詞」にする
「動詞のsaw」を「was seen」にしましょう。 He I was seen enter the building by me.
3. 本来の主語をby〜で文の最後に移動する
「主語のI」に「by」をつけて、文の最後に移動しましょう。 He was seen enter the building by me.
こちらも本来であれば問題ありません。
しかし、使役動詞と同様、「動詞のseen」と「動詞のenter」が連続しています。
英語で動詞の連続はありえないので、動詞と動詞の間に不定詞を置いてあげます。
He was seen to enter the building.
すると、
以上のように、「使役動詞と知覚動詞」は一般的な動詞と異なった、特殊な使い方をするため
受動態にする時も不定詞を使う工夫が必要になります。
しかし、「動詞と動詞の連続がありえない」という大原則を押さえて置けば、おかしいことに気づけるでしょう。
頻出の応用問題なので、次に出会った時は答えられるようにしておきましょう。
受動態でbyをとらない動詞
受動態では、「by〜」を取らない動詞があります。
代表的なものをピックアップしたので、ぜひ覚えておきましょう。
be surprised at~「~に驚く」
be disappointed at「~にがっかりした」
be known to~「~に知られている」
be known for~「~で有名だ」
be interested in~「~に興味がある」
be made from~「~から作られる」
be made of~「~から作られる」
be covered with~「~で覆われている」
be filled with~「~で満たされている」
be pleased with~「~に喜ぶ」
be satisfied with~「~に満足する」
be moved (impressed) with~「~に感動する」
群動詞の受動態
「群動詞」とは、いくつかの語が集まってできる1つの動詞です。
例えば、「look」は「見る」という意味ですが、前置詞「after」をつけた「look after」は「〜を世話する」という意味になります。
さらに、
- look at「〜を見る」
- look in「のぞきこむ」
- look for「〜を探す」
のように前置詞との組み合わせで意味が異なる1つの動詞になります。
他にも以下のような群動詞があります。
群動詞は1つの動詞なので、受動態にしてもそのままの形を保ちます。
I look after your baby while you were out.
例えば、以下を受動態に書きかえると、
「あなたがいない間、私はあなたの赤ちゃんをみました。」
次のようになります。
Your baby was looked after by me while you were out.
「あなたがいない間、あなたの赤ちゃんは私によってみられました。」
「前置詞のafter」に「前置詞のby」が続くので、不自然で書かない人が多いですが、気をつけましょう。
群動詞を使う受動態では、前置詞を忘れないようにしましょう。
受動態を使う理由
最後に受動態について注意点をお伝えします。
それは日本人があまりにも受動態を使いすぎだということです。
実際、受動態の表現は頻繁に使われません。
英会話や英作文では、できる限り能動態で表現するように意識することが大切です。
では、なぜ受動態を使うのでしょうか。
実は受動態を使うのには、3つのパターンがあります。
誰がやったか言いたくない時
例えば、ある推理小説をあなたが読んでいるとしましょう。
その一文目に
Taro killed Miyuki.
「太郎がみゆきを殺した。」
と書かれていたらどうでしょう?
私だったらその小説を閉じて二度と読まないです。
何が言いたいかと言うと、「誰がやったか言いたくない」時に受動態で
Miyuki was killed.
と表現するのです。そして、by〜は省略可能なので、”Miyuki was killed"と誰がやったか隠すことが出来るのです。
誰がやったかを強調したい時
逆に受動態にして、誰がやったかを強調することもできます。
英語にはエンドフォーカスといって、文の後ろにある情報ほど重要な情報だとうい特徴があります。
したがって、 Miyuki was killed by Taro.
とすることで、「みゆきは殺されたんだ、太郎にね!」と強調することができるんです。
誰がしたか言う必要のない・分からない時
受動態はしたかどうか言う必要の場合にby〜を省略することがあります。 A lot of people were killed in the war.
この場合、誰に殺されたか言う必要のない・分からないですね。
したがって、"by"以降は省略されています。
受動態 まとめ
本記事では、受動態の基本を解説しました。
受動態は3つのステップで簡単に作ることができましたね。
受動態では以下のポイントが大切です。
- 助動詞・現在完了・進行形との組み合わせ
- "by"を使わない受動態
- 第四文型の受動態
- 使役動詞・知覚動詞の受動態
分からなくなった時は何度も読み返してマスターしましょう。
最後に練習問題で復習して、定着していきましょう。
練習問題では、ただ解けるだけでなく、「なぜその答えになるのか」を説明できるようになりましょう。
受動態【練習問題 厳選16題】
1.空欄に入る適切な語句を答えなさい。 2. 次の英文を受動態に書き換えなさい。
(1)loves
(2)was loved
(3)was loved with
(4)was loving
(1)covered by
(2)covered of
(3)covered with
(4)covered on
(1)known to
(2)known with
(3)known for
(4)known as
(1)interested with
(2)interested of
(3)interested in
(4)interested on
(1)laughed
(2)being laughed
(3)being laughed at
(4)laughing
(1)was given
(2)given
(3)was given to
(4)was given for
(1)can be seen
(2)can see
(3)can be seeing
(4)can see of
(1)was bought
(2)bought
(3)was bought to
(4)was bought for
(1)washing
(2)being washed
(3)washed
(4)going to be washed
(1)have been translating
(2)were being translated
(3)were translating
(4)have been translated
(1)talked
(2)was talking
(3)talked to
(4)was talked to
受動態【練習問題 厳選15題 解答】
1.空欄に入る適切な語句を答えなさい。 2. 次の英文を受動態に書き換えなさい。
(1)loves
(2)was loved
(3)was loved with
(4)was loving
(1)covered by
(2)covered of
(3)covered with
(4)covered on
(1)known to
(2)known with
(3)known for
(4)known as
(1)interested with
(2)interested of
(3)interested in
(4)interested on
(1)laughed
(2)being laughed
(3)being laughed at
(4)laughing
(1)was given
(2)given
(3)was given to
(4)was given for
(1)can be seen
(2)can see
(3)can be seeing
(4)can see of
(1)was bought
(2)bought
(3)was bought to
(4)was bought for
(1)washing
(2)being washed
(3)washed
(4)going to be washed
(1)have been translating
(2)were being translated
(3)were translating
(4)have been translated
(1)talked
(2)was talking
(3)talked to
(4)was talked to
He was seen to enter the building by me.
Some was heard to call my name in the crowd by me.
I was made to clean the room after school by him.
Mike was listened to play the piano by her.
He was noticed to watch her face by Mary.