さて、今回は英語力をワンステップ上げるために必要な接続詞と前置詞の違いを見ていきましょう。
この解説では、以下のポイントを中心に解説していきます。
- 何のために接続詞を使うのか
- どんな前置詞と接続詞があるのか
- 前置詞と接続詞の違いとは?
では、まずは例題で確認してみましょう。
( ) he was late, we could not make it. *make it 「間に合う」
次のうち( )に入るのはどれでしょうか。
(A) in spite of
(B) while
(C) because
(D) though
答えは、(C) becauseです。では、なぜ、bacauseが正しくて、他は間違いなのでしょうか。なんとなく正解した人は解説を読んで、接続詞と前置詞をしっかりと理解していきましょう。
Contents
英文の大原則 S V, S Vはありえない
まず接続詞の解説の前に、なぜ接続詞を使うのかを確認していきます。
以前、「分詞構文の基本 例文で英文法徹底解説」でも確認した大原則ですが、英文では、SVを含んだ一文が, (コンマ)で繋がることはありえません。
英文の大原則
SV, SVはありえない
例えば、以下の例文は大原則に反しています。
She likes him, she often talks to him.
このように、SVの後にピリオドを打たずに ,(コンマ)でSVを続けるのはご法度なのです。
文と文をつなげるために 接続詞とは?
では、SV, SVを成立させるためにはどうすればよいでしょうか。
ここで登場するのが接続詞です。接続詞とは、文と文をつなぐ役割を果たす語句です。
接続詞は、SVとSVをつなぐ役割を果たします。したがって、先ほどの例文は接続詞を使うと、以下のようにつなげられます。
Because she likes him, she often talks to him.
このように、“because”を使うことで、後ろにつなぐことができました。
接続詞の後ろはSV(完全文)間違った使い方に注意
接続詞の扱いでよくある間違いが
I went to the sea while summer vacation.
のように、接続詞の後ろに名詞を置いてしまうことです。
これは接続詞の使い方を間違えています。接続詞の後ろは原則、SV(完全文)となることを必ず押さえましょう。
もちろん、分詞構文の場合など若干の例外はありますが、「接続詞の後ろはSV(完全文)」を徹底してください。
前置詞の後ろは名詞
「接続詞の後ろはSV」の原則と合わせて押さえてほしいのが、「前置詞の後ろは名詞」というポイントです。
I went to the sea during summer vacation.
このように前置詞の後ろには必ず名詞を置くのが鉄則です。
接続詞と違って、SVを後ろには置けないので要注意です。
前置詞と接続詞のまとめ一覧
以上を踏まえると、英語を正しく使うためには、何が接続詞で、何が前置詞かを分かっていなければいけません。以下に一覧でまとめたので、しっかりと区別できるようにしておきましょう。
意味 |
前置詞 |
接続詞 |
|
before |
〜の前に |
○ |
○ |
after |
〜の後に |
○ |
○ |
during |
〜の間に |
○ |
✖️ |
despite |
〜にも関わらず |
○ | ✖️ |
due to |
〜のせいで | ○ | ✖️ |
because |
なぜなら | ✖️ | ○ |
while |
〜の間 | ✖️ | ○ |
as soon as |
〜するとすぐに | ✖️ | ○ |
though |
〜だけれど | ✖️ | ○ |
特に注意したい前置詞と接続詞 違いに要注意
まとめの表から分かる通り、afterやbeforeのように、前置詞・接続詞として両方使える場合もあります。
しかし、基本的には、前置詞か接続詞の片方としてしか使えません。
特に、duringとwhile、in spite ofとalthoughは、意味は同じだけれど使い方が異なるので、文法問題としても狙われやすいので要チェックです。例文で確認しましょう。
前置詞と接続詞 duringとwhileの違いを例文でチェック
She sent me an e-mail ( ) I sleep.
例文の空欄には、whileかduringが入ります。そして、このような問題はよく出題されます。どちらも「〜の間」という意味なので、前置詞と接続詞を分かっていなければ解くことはできません。
( )の後ろを見ると、後ろには、SVが来ていますね。そして、後ろにSVを置けるのは、接続詞でしたね。
つまり、ここには接続詞しか入れることが出来ない訳です。
接続詞は、whileなので、空欄に入れられるのはwhileです。
duringは前置詞で、後ろには名詞が来なければいけないため、ここで使うことはできません。
前置詞と接続詞 in spite of とalthoughの違いを例文でチェック
( ) it was raining, he went for a walk.
次も先ほどと同じように考えてみましょう。
ここでは、in spite ofかalthoughのどちらが入るかを考えてみましょう。
空欄の後ろを見てみると、SVが来ていますね。つまり、後ろにSVを置くことができる接続詞しか入れられません。
したがって、接続詞であるalthoughを入れるのが正解です。
もし、前置詞のin spite ofを使って、同じようなことを言いたい場合は、
He went out in spite of the rain.
のように、後ろをthe rainのように、名詞を置いてあげると良いでしょう。
上の2つの文では、内容は同じですが、接続詞と前置詞では後ろに来るものが異なります。
つまり、前置詞は名詞とつながり、接続詞はS,Vを含んだ文とつながっていると言えます。
他の前置詞と接続詞も同じように使ってあげれば大丈夫です。
これからはただ意味を覚えるだけでなく、それが前置詞なのか接続詞なのかということも意識して覚えていくようにしましょう。
慣れるまでは少しややこしく感じるかもしれませんが、一度わかるようになるとすぐに使えるようになるので、前置詞と接続詞を意識して使っていくようにしましょう。
それでは、おつかれさまでした。