部分否定と完全否定

英文法解説

英語の部分否定と完全否定の違いとは?例文で徹底解説【練習問題あり】

こんな方におすすめ

  • 部分否定って何?
  • 部分否定の使い方を知りたい
  • 部分否定と完全否定の違いを知りたい

本記事ではこういった疑問にお答えします。

今回は、部分否定マスターを目指しましょう。

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記事の信頼性

本記事を書いている筆者(@englishteachaon)は英語ブロガーとしてブログを運営しています。

  • 10年以上、高校生に英語を教えている経験
  • 英語検定1級
  • TOEIC900点超(現在990点を目指し、筆者自身も勉強に励んでいます。)

早速、例題で確認です。

例題

Q. 英文と同じ意味になる英文を以下の選択肢から選びなさい。

He doesn't like all of her songs.

(A) He doesn't like most of her songs.
(B) He likes all of her songs.
(C) He likes none of her songs.
(D) He likes some of her songs.

 

 

 

 

 

 

正解は、(D) He likes some of her songs.です。

今回のポイントは部分否定と完全否定でした。

部分否定と完全否定は似ている表現ですが意味が全く違うので間違いやすい範囲です。

正解した人も、なぜその答えになるのか説明できるように、ポイントを確認していきましょう。  


では参りましょう。

部分否定と完全否定の違い

difference

まず、部分否定と完全否定の違いを確認しましょう。

結論からいうと部分否定と完全否定の違いは以下の通りです。

ポイント

  • 部分否定→「〜というわけではない」
  • 完全否定→「全く〜ない」

では、具体的に例文で違いを見ていきましょう。

例文

I do not always study English.
「私はいつも英語を勉強しているというわけではない。」

ここでは 「not always」がポイントです。

「not always」は部分否定を表します。

「いつも〜というわけではない」を意味し、notより後ろを「部分的に」否定します。

つまり、「いつも勉強しているわけではなく、少しくらい勉強しないこともある。」ということを意味します。

このような表現を部分否定といいます。

 

一方で、全く~ないのように全てを否定する表現を「完全否定」といいます。

例えば、以下の例文は「完全否定」です。

例文

I never study English.
「私は英語を全く勉強しない。」

「never」「not〜any」「neither」などを伴う場合、「全く〜ない」と全てを否定します。

例文では「勉強する」ことを完全に否定しています。

 

以上のように、部分否定と完全否定は意味が全く異なることを押さえましょう。

ポイント

  • 部分否定→「〜というわけではない」
  • 完全否定→「全く〜ない」

続いて、部分否定について詳しく解説します。

部分否定とは 「〜というわけではない」

question

部分否定とは「not+強い形容詞(副詞)」の形で「〜というわけではない」という意味を表します。

ポイント

「not+強い形容詞(副詞)」は「〜というわけではない」の意味

部分否定は「not」の後ろに「強い形容詞や副詞」を伴います。

「強い形容詞や副詞」とは以下のような言葉を指します。(太字は重要語なので必ず押さえましょう。)

強い形容詞や副詞

  • 全てグループ
    all
    every
    both
  • いつもグループ
    always
    constantly

    regularly
    invariably
  • 必ずグループ
    necessarily
    inevitably
  • 完全にグループ
    quite

    altogether
    completely
    entirely
    absolutely
    totally
    perfectly
    fully
    wholly
    purely

これらの「強い形容詞(副詞)」が「not」の後ろに来ている場合は「部分否定」で考えましょう。

部分否定の例文

example

「not+強い形容詞(副詞)」の形と意味に着目して具体的な使い方を見てみましょう。

例文

  • He does not always study hard.
    「彼はいつも一生懸命勉強しているというわけではない。」
  • Not everyone agrees with the opinion.
    全員がその意見に賛成しているというわけではない。」
  • She is not completely wrong.
    「彼女は完全に間違っているというわけではない。」
  • I do not support both of the plans.
    「私は計画の両方を支持するというわけではない。」
  • Hard work does not necessarily lead to a good result.
    「ハードワークが必ずしも良い結果をもたらすというわけではない。

全ての例文が「not+強い形容詞(副詞)」「〜というわけではない」を意味しています。

まずは、not always(いつも〜というわけではない)やnot necessarily(必ずしも〜というわけではない)などの部分否定の代表的な表現を覚えましょう。

「完全否定」と意味を取り違えないためにも代表的な表現は必須です。

次に「部分否定と完全否定」のよくある間違いについて確認しましょう。

「両方〜というわけではない」vs「両方〜ない」

both

「2つ(人)のことを否定する」場合、以下の表現を使います。

2つ(人)のことを否定する

  • 「両方〜というわけではない」(部分否定)
  • 「両方〜ない」(完全否定)

間違いが多いポイントなので、以下の表と例文で使い方をしっかり確認しましょう。

否定の種類英語
部分否定not〜both「両方〜というわけではない」
完全否定not〜either / neither 〜 nor「両方〜ない」

部分否定の例文

  • They do not support both of the proposal.
    「彼らは両方の提案を支持しているというわけではない。」
  • I do not know both of them.
    「私は彼らの両方を知っているというわけではない。」

完全否定の例文

  • They do not support either of the proposal.
    「彼らは両方の提案を支持していない。」
  • They support neither of the proposal.
    「彼らは両方の提案を支持していない。」
  • I do not know either of them.
    「私は彼らの両方を知らない。」
  • I know neither of them.
    「私は彼らの両方を知らない。」

「全部〜というわけではない」 vs 「全部〜ない」

all

「3つ(人)以上のことを否定」する場合、以下の表現を使います。

3つ(人)以上のことを否定する

  • 「全部〜というわけではない」(部分否定)
  • 「全部〜ない」(完全否定)

こちらも以下の表と例文で使い方をしっかり確認しましょう。

否定の種類英語
部分否定not〜all / not〜every「全部〜というわけではない」
完全否定none〜 / no〜 / not〜any「全部〜ない」

部分否定の例文

  • Not all students attended the graduation ceremony.
    全ての生徒が卒業式に出席したというわけではない。」
  • Not everybody in the class turned in their homework.
    「クラスの全員が宿題を提出したというわけではない。」
  • I do not like all of his books.
    「私は彼の本の全部を好きというわけではない。」

完全否定の例文

  • No student attended the graduation ceremony.
    全ての生徒が卒業式に出席しなかった。」
  • Nobody in the class turned in their homework.
    「クラスの全員が宿題を提出しなかった。」
  • I like none of his books.
    「私は彼の本はどれも好きではない。」
  • I don't like any of his books.
    「私は彼の本はどれも好きではない。」

部分否定と完全否定 まとめ

本記事では、「部分否定と完全否定」を解説しました。

「部分否定と完全否定」では、以下のポイントが重要です。

  • 部分否定→「〜というわけではない」
  • 完全否定→「全く〜ない」
  • 部分否定は「not+強い形容詞(副詞)」

形と意味を確認して、意味を取り違えないように気をつけましょう。


最後に練習問題で復習して、定着していきましょう。

練習問題では、ただ解けるだけでなく、「なぜその答えになるのか」を説明できるようになりましょう。
英文法のおすすめ参考書をコチラで紹介しています。

部分否定と完全否定【練習問題 厳選10題】

厳選問題

Q.以下の英文を日本語に訳しなさい。

  1. I don't like any of his books.
  2. Not all students attended the graduation ceremony.
  3. Not everyone agrees with the opinion.
  4. She is not completely wrong.
  5. I do not support both of the plans.
  6. Hard work does not necessarily lead to a good result.
  7. He does not always study hard.
  8. She is completely  not wrong.
  9. I like none of his books.
  10. Nobody can take your place.

部分否定と完全否定【練習問題 厳選10題】

厳選問題

Q.以下の英文を日本語に訳しなさい。

  1. I don't like any of his books.
    「私は彼の本はどれも好きではない。」
  2. Not all employees attended the meeting.
    「全ての従業員が会議に参加したというわけではない。」
  3. Not everyone agrees with the opinion.
    「全員がその意見に賛成しているというわけではない。」
  4. She is not completely wrong.
    「彼女は完全に間違っているというわけではない。」
  5. I do not support both of the plans.
    「私は計画の両方を支持するというわけではない。」
  6. Hard work does not necessarily lead to a good result.
    「ハードワークが必ずしも良い結果をもたらすというわけではない。」
  7. He does not always study hard.
    「彼はいつも一生懸命勉強しているというわけではない。」
  8. She is completely not wrong.
    「彼女は完全に正しい。」
  9. I like none of his songs.
    「私は彼の曲はどれも好きではない。」
  10. Nobody can take your place.
    「あなたの代わりはいない。」

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